Gangubai Kathiawadi(原題)
2022年
インド
インドに実在した人物ガングバイ・カティヤワディの伝記映画。
裕福な家の娘だったガンガは、1923年16歳の時に騙されて売春宿に売り飛ばされた。
彼女はそこで娼婦として働かされるが、やがて売春宿の女将に登る詰める。
そして地域のマフィアともつながりを持ち、地区の売春宿を取り仕切るマフィアの女王と称された。
彼女は売春宿で働く娼婦たちやその子どもらを、あらゆる差別や暴力から助け権利と自由を守り続ける。
やがてその活動は売春宿地区に住む人々から多くの支持を得て、時のインド首相とも会談し地区開発による立ち退きを撤回させたと伝わる。
売春宿で働く人々の尊厳を守り抜いた聖人として、その界隈では彼女の肖像は今なお崇められている。
本作は残念ながら日本未公開。
ストリーミングサービスでの視聴で、日本語の音声や字幕はありません。
会話で何を話しているのかは想像ですが、前述のような予備知識のおかげで割と楽しめました。
あらすじ
インド西部カーティヤーワール地方の裕福な家の娘ガンガは、ボリウッド女優に憧れる16の女の子。
彼女は恋人に誘われて家を飛び出し、ボンベイへと駆け落ちした。
着いた先はボンベイのカマティプラ(売春宿地区)にある一軒の宿。
ガンガはここで恋人に置き去りにされる。
そう、彼女は恋人に騙され売り飛ばされたのだ。
強欲で残酷な売春宿の女将に、ガンガは売春を強いられることになる・・・
ネタバレ!
ガング(ガンガの愛称)は娼婦として屈辱の日々を過ごしながらも、やがて他の娼婦たちとも打ち解けてゆく。
生来の気の強さもあってか、ガングは娼婦たちの代表として女将と交渉し、週1日の休みをもぎ取った。
ある日、ガングはチンピラの客を取らされる。
その男は暴力的な性癖だったのだが、普段からガングを目の敵にしていた売春宿の女将は見て見ぬふりをした。
ガングは重症を負い、病院に運ばれる。
やがて傷も癒えたころ、ガングはある決意をする。
地元マフィアのボスの元へ行き、身上を語り正義を求めた。
ボスはガングの勇気と聡明さに感心し、彼女の保護を約束する。
次にまたチンピラ客がやって来たとき、呼ばれたボスはチンピラ客に鉄槌を下した。
こうしてガングは売春宿地区で一目置かれる存在となった。
強欲な女将が病死すると、誰もがガングを次の女将として支持した。
こうして彼女は敬称を込め、ガングバイと呼ばれるようになる。
売春宿に売られてきた少女の身上を聞き、時にはお金を立て替え家に帰してやることもあった。
またガングバイは仕立屋の若い青年に恋をする。
しかしそれはお互いに立場の異なる許されない恋であり、プラトニックな恋だった。
誰もが彼女を敬うようになると、ガングバイは地区の自治体選挙に立候補する。
対立候補の相手は嘲笑ったが、相手の演説会に合わせて映画の無料上映会を開くなど対抗し支持者を集った。
密造酒で利益を上げて選挙資金を集め、警察には賄賂を渡してやり過ごす。
そして娼婦の娘を花嫁として、多額の持参金とともに仕立屋の若い青年に嫁がせた。
ガングバイの恋が実ることはなかったが、選挙には勝利する。
やがて時代とともに近代化が進むと、売春宿地区も都市開発で取り壊されることになる。
ガングバイはマフィアのボスと協力して、建設会社を脅した。
また娼婦の子どもらを、他の子どもたちと同じように小学校に入学ができるように交渉をする。
学校側は拒否したが、ガングバイはジャーナリストを巻き込んで世論を味方につけた。
こうしたガングバイの人権を守る社会活動は、やがて首相と面談の機会を得るまでになった。
彼女は売春宿と娼婦の窮状を訴え、首相から売春宿地区の保証を約束される。
売春の合法化と人身売買の違法化を実現し、ガングバイは人々から称賛された。
インドでは近代においても、成人の私的な売春は職業として認められている。
(売春の強要や斡旋、売春宿の経営などは違法とされる)
なんとも壮大な叙事詩。
けれども売春宿を舞台にしている割には、なんか全体的にスマートなのね。
インド映画だから濡れ場は当然無いし、ラブシーンやキスシーンもない。
マフィアたちも具体的にどんな悪事をしているのか分からないし、ガングバイが部下に命じて手を下すようなシーンもあんまり見かけない。
全然ドロくささがなくて、どうにもガングバイが綺麗過ぎるのだ。
それがいいか悪いかは兎も角、ちょっとリアリティに欠けるところ。
インド映画お待ちかねの唄って踊るミュージカルも、最初と途中にひとつずつだけ。
トントン拍子にお話が進んで、大きな感動もないまま少し不完全燃焼に終わってしまいます。
台詞があればもっと感情を込めれたのかも。
主演のアーリヤー・バットは流石ですけどネ。
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