ザ・ミッション 非情の掟
1999年
香港
原題は「鎗火」。
黒社会のボスを守るために集められた5人の男たちが、チームとして護衛の任務を遂行しながら、ボスを狙う暗殺者の黒幕を突き止める犯罪活劇。
生死を共にしてきた5人は任務を終え友情を誓うが、そんな彼らに非情な“組織の掟”が待ち構える。
90年代も数多くの犯罪アクション映画が作られてきた中で、異彩を放ったのが本作。
これまで激しい銃撃戦や爆発、そして友情や恋愛などが常だった黒社会の犯罪片を、徹底して男の世界として描くことに突き抜けている。
本作の銃撃戦は、他作品で観るような銃の撃ち合いではない。
銃を構えて静かに待ち構え、現れた敵を瞬時に撃ち抜く。
静と動にこだわった、冷徹で非凡な戦いが繰り広げられる。
また女性もほとんど登場せず、男女の会話が織りなすドラマがない。
登場人物は必要以上に話さず、物語や人物をアクションに集中している。
あらすじ
組織のボスが暗殺者に狙われた。
ボスの弟で幹部のナンは、5人の男たちを護衛に雇う。
集められたのは
元組織の凄腕でリーダー格のグイ
黒社会の悪名高き暗殺者ライ
ライの弟分であるシン
射撃の名手マイク
太っちょのフェイ
5人はチームとしてボスを暗殺者から守りながら、かつボスを狙う黒幕を見つけ出さなければならない・・・
ネタバレ!
最初は反発しあう間柄だった5人も、命を危険にさらしながら任務を遂行する中でやがてチームとして信頼しあう。
度重なる襲撃からボスの身を守りつつ、5人はついに黒幕を突き止める。
それはボスと共に組織を作り上げた幹部の1人だった。
首謀者への制裁を追え、無事任務を完了した5人。
固い友情で結ばれた彼らは、多額の報酬を手にしいつか再会することを話していた。
しかしそれで終わらなかった。
暗殺者ライの弟分であるシンが、ボスの妻を送迎していた時に関係を持ったことが発覚する。
幹部のナンは、組織の掟としてシンの暗殺をリーダー格のグイに命じた。
これを知ったライは、弟分を助ける為にグイに詰め寄る。
しかしグイは組織の掟として引かなかった。
射撃の名手マイクはライを支持し、太っちょのフェイはグイを支持する。
かつて生死を共にしてきた5人は、ついに互いに銃を突きつけ合うこととなった。
そして銃声が鳴り響く。
映画の最後で、シンは死んだことにして密かに逃がされたことが語られる。
とにかくカッコよくて熱い男たちのお話。
普段は脇役ばかりの俳優たちが揃って演じているのもイイ。
中盤のショッピングモールで繰り広げられる静かな銃撃戦は、最初から意図されたものではなかったらしい。
というのも予算の都合で弾数が限られており、銃をむやみに撃つことができなかったという逸話。
さらにはまだ無名に近かったラム・シューの撮り直し用にフィルムを温存する必要があり、他のベテラン俳優はほとんど1テイクで撮影していたとのこと。
結果的には本作を象徴する名シーンとなった。
香港黒社会の映画なら観逃せないオススメの1本です。
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