男たちの挽歌

1986年

香港


原題は「英雄本色」。


香港黒社会の友情と家族愛、裏切りや復讐などを描いた犯罪活劇。


マフィアの兄と、警察官の弟。

かつて組織の幹部だった兄と親友は、自分達を裏切り組織を牛耳る弟分に復讐を果たそうとする。

しかし兄は、マフィアの自分を憎む弟との関係にも苦悩するハードボイルド作品。


激しい銃撃戦や大爆発など、これまでの犯罪映画とは一線を画した作風で話題となった。


1970年代後半から80年代にかけて、香港映画界はコメディアクション映画が主流だった。

そんな中で本作は1967年「英雄本色」(原題)のリメイク作として、ジョン・ウー監督が大幅な脚色を加え犯罪アクションとして制作する。

香港歴代興行収入の過去最高記録(当時)を記録する大ヒットとなり、香港映画界に犯罪アクション映画のブームを巻き起こした歴史的な作品。

この作品以降、黒社会や警察を舞台にしたシリアスな犯罪アクション映画が続々と作られる。


あらすじ

香港黒社会の幹部ホーは、年老いた父親と警察官を目指す弟キットと暮らしていた。

ホーがマフィアであることは弟には秘密だった。


ある裏取引で、ホーは裏切りに会い警察に捕まってしまう。

ホーの服役中に父親は死亡し、兄の正体を知ったキットは兄と黒社会を恨んだ。


3年の刑期を終え、出所したホーはマフィアから足を洗いタクシー会社に務める。

しかし警察官となった弟のキットからは未だ拒絶された。

またホーは、かつては同じ組織の幹部として義兄弟の契りを交わしたマークとも再会する・・・


兄ホー/ティ・ロン

親友マーク/チョウ・ユンファ

弟キット/レスリー・チャン


タクシー会社社長/ケネス・ツァン


ストーリー   ★★★

映像      ★★★

キャスト    ★★★★

ハードボイル度 ★★★★


ネタバレ!

かつてホーと2人で組織を引っ張る幹部だったマークも、ホーの失脚とともに落ちぶれていた。

いま組織の幹部となっていたのは、2人が幹部だったころに面倒を見ていた弟分のシンだった。


親友のマークは2人で協力して、再び幹部に返り咲こうとホーを誘う。

しかし足を洗ったホーはこれを断った。

ホーは幹部となったシンからも組織に戻るよう誘われるが、これも拒否する。

だがこれが元でマークや弟のキットも組織から狙われる。


これにはついにホーも怒り、今や組織を牛耳るシンに復讐を誓った。

マークと手を組んでシンを誘い出し、警察官のキットに情報を流して逮捕させる策を巡らす。

激しい銃撃戦の末にマークが犠牲となり、ホーはシンを射殺して自ら手錠をかけキットに身を差し出した。



本作の主演のティ・ロンは70年代にカンフー映画で人気を博した映画スターだったが、カンフー映画の衰退とともに低迷していた。

本作の主演によって再び脚光を浴び、時代劇のみならず現代劇でも魅力あるスターとして改めて注目されるようになる。


またもうひとりの主演チョウ・ユンファについては、テレビで大人気だったスターではあるものの映画界に進出してからは低迷していた時期だった。

チョウ・ユンファ演じるマークは当初、予算の都合で撮影期間に制限があり脇役の予定だったらしい。

しかし本人の希望でギャラに関係なく撮影期間の制限をなくしたことで、大幅な出番が増え主演になったという。


本作はティ・ロン演じるホーが大筋の主人公であるが、チョウ・ユンファ演じるマークがそれを食うほどの活躍をみせるのがこの所以である。

マークがマッチを加えているのは彼のアイデアである。

本作の大ヒットは彼を代表する出世作となり、80年代の後半からはジャッキー・チェンを越える香港映画界の人気スターとなった。



本作のヒットにより、翌年には続編「男たちの挽歌 II」が公開される。

さらにその2年後の1989年に3作品目となる「アゲイン/明日への誓い」が公開された。


本作と同じジョン・ウー監督とチョウ・ユンファ主演の作品、1989年「狼 男たちの挽歌・最終章」と、1992年「ハード・ボイルド 新・男たちの挽歌」も公開されている。

ただしいずれも日本でつけられた邦題で、本作とお話のつながりはない。

君蔵さんの映画日記

君蔵さんが日々観た映画の感想を思いのままに綴る日記。 高慢と偏見による映画レビューです。 あしからずご了承ください。 また映画のキャストや、俳優のプロフィール等の情報は完全なものではありません。

0コメント