パイラン

 2001年

韓国


原作は日本の小説で、韓国を舞台にして映画化された感動作品。


ある日突然、妻が亡くなったとの報せを受け取る。

男は昔、金目当てに見知らぬ外国人に戸籍を貸す偽装結婚をしていた。


男は一度も会ったことがない妻の遺体を引き取りに行く。

その妻が、自分を心の支えにして懸命に生きていたことを知り男は涙する。


あらすじ

チンピラヤクザのカンジェは、うだつのあがらない40過ぎの独身男。

自分と同期だったヨンシクはすでに組織の幹部になっており、カンジェは未だ下っ端のような役目だった。

若い衆は幹部ヨンシクの手前、カンジェに対して敬語を使うが内心は馬鹿にしている。


そんなある日、ヨンシクが犯した殺人の罪を、カンジェが肩代わりするよう頼まれる。

大金を積まれたカンジェはそれを承諾した。

そして後日、警察がやって来るが、告げられたのは「妻パイランの死」だった。

思い起こせば昔、金欲しさに会ってもいない中国人に戸籍を貸し偽装結婚をしていたのだ・・・


カンジェ/チェ・ミンシク

パイラン/セシリア・チャン


ストーリー     ★★★

映像        ★★★

キャスト      ★★★

ひしひしと泣ける度 ★★★★


ネタバレ!

前半の描き込みがなかなかよくできてて素晴らしい。

このチンピラ中年カンジェの情けない実情がひしひしと描かれている。

話しも分かりやすいし、描き込みも丁寧でなかなか感心した。

良く出来た脚本と演出、演じるチェ・ミンシクの賜物かな。


後半に入って、病気で亡くなった妻パイランの存在が明らかになる。

ここら辺りでお話がグッと変わる。

カンジェはパイランの遺体を引き取りに、彼女が暮らしていたという町へ向かう。

彼女が残した手紙には、結婚をしてくれたカンジェに対して感謝の気持ちがつづられていた。


カンジェはパイランの葬儀に立ち会い、彼女が働いていた店にも寄る。

彼女が一人暮らしをしていた家に入り、また新たな手紙を手にする。

そこにはパイランが会ったこともないカンジェを、心の寄り所にしていたことが記されていた。

「みなさん親切な方ですが、カンジェさんが一番親切です・・・」

「カンジェさんを忘れないように、いつも写真を見ています・・・」

「あなたの妻のままで死ぬのは、迷惑じゃないでしょうか・・・」


カンジェは悲しみを我慢できず号泣する。

そして自分を慕ってくれたただ一人の女性パイランのために、まっとうな人生をやり直そうと誓う。

彼は幹部ヨンシクの肩代わりを断った。


最後、カンジェはヨンシクの放った刺客に殺されて映画は終わる。



カンジェを心の支えに懸命に生きたパイランの実像が回想録で語られるのは泣ける。

セシリア・チャンはたしかに美しく、それでいてはかない彼女の身上がひしひしと伝わってくる。

けどどうしてそこまでカンジェを慕うのだろか。

たしかに戸籍を貸してくれた人とはいえ、実際に会ったこともない。

唯一「知っている人」だから、心の支えにしたのだろうか。

その描きこみがあまりない為か、パイランの心情に寄り添うことができなかった。

最後に彼女がビデオレターのように写っているのも、ちょっと出来過ぎのような気がする。


おまけに最後は組織を裏切ったために刺客が送られてくるのも、そりゃ当然といえば当然の展開。

ちょっと頭を傾げるようなところはある。

でも本当に純粋過ぎるようなストレートなお話しで、しみじみとくるいい作品です。

君蔵さんの映画日記

君蔵さんが日々観た映画の感想を思いのままに綴る日記。 高慢と偏見による映画レビューです。 あしからずご了承ください。 また映画のキャストや、俳優のプロフィール等の情報は完全なものではありません。

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