タイタンの戦い
2010年
アメリカ・イギリス・オーストラリア
ギリシア神話の英雄ペルセウスを題材にしたファンタジー作品。
ペルセウスはゼウスと人間との子で、怪物メドゥーサを倒した英雄。
またペガサスに乗って空を飛び、エチオピア王国を襲う海獣を退治して王女アンドロメダを救った。
後にミュケナイ(ミケーネ)の王となる。
ヘラクレスの先祖にあたる。
ただ映画の内容はギリシア神話に基づくものの、神話には登場しない怪物クラーケンが海獣として登場したりとお話は脚色されている。
1981年の同名映画のリメイク作品。
あらすじ
かつて世界を支配していたのはタイタン族のクロノスだった。
クロノスの子ゼウスは、兄姉たちと力を合わせクロノスを打ち破った。
そしてゼウスは天空を支配し、長兄のハデスは冥界を支配した。
やがて幾多の時が流れ、地上には人間たちが繁栄していた。
しかし人間の王アクリシオスは神々を敬わず、ついには神々の住むオリンポス山へ攻め入った。
ゼウスはそんな傲慢な王に思い知らせるべく、アクリシオス王の妃ダナエと交わり子をもうけさせた。
激怒した王は、王妃と産まれたばかりの赤子を海へ投げ捨てる。
生き延びた赤子ペルセウスは漁師に拾われ、やがて青年へと成長した・・・
ネタバレ!
お話としては、ここから成長したペルセウスの冒険譚が始まるわけです。
アルゴスの王ケペウスと王妃カシオペアは、娘のアンドロメダを溺愛し美の女神アフロディーテよりも美しいと豪語した。
すると神々の怒りを買い、冥界の王ハデスが登場する。
そしてアンドロメダを生贄として捧げるか、でなければ海獣クラーケンを放ちアルゴスの都を滅ぼすと告げた。
ここで白羽の矢が立ったのが、ゼウスの子で半神のペルセウス。
海獣クラーケンを倒す方法を求めて、ペルセウスとアルゴス兵の一行は旅に出るのだ。
一行は行く先々で怪物と戦いながら、三姉妹の老魔女グライアイの元に辿り着く。
老婆たちは3人で1つの目を共有しているという魔女で、海獣クラーケンを倒せる怪物メドゥーサの秘密を知っていた。
メドゥーサは蛇の髪の毛をした怪女で、目が合った者を石に変えてしまうという魔力を持っているという。
一行はメドゥーサの棲み処に辿り着くが、返り討ちに遭い仲間は次々と石にされてしまう。
しかしペルセウスは盾に反射して写る怪物の姿を見ながら戦い、なんとかその首を落とした。
そしてペルセウスはメドゥーサの首を持ってペガサスに乗り、アルゴスへ戻る。
そこで海獣クラーケンを石に変えて見事に倒し、アルゴスに平穏がもたらされた。
アンドロメダとは結ばれずにお話終わる。
とまあ、ざっと神話のペルセウスに沿ってお話は流れていきます。
しかし神話で伝わるお話とは所々で違いがあります。
まずペルセウスの出生から。
劇中ではアクリシオス王の国については言及されていませんでしたが、本来はアルゴスの国王です。
そしてダナエは妃ではなく娘。
アクリシオス王は神々を敬わず傲慢になったわけではなく、神託(預言)で娘ダナエが産む孫に殺されると告げられました。
それで男が近づかないように、娘を塔に幽閉したのです。
でも好色のゼウスが忍び込んでダナエと交わり、結局ペルセウスが生まれます。
神託を恐れた王が、娘と赤子を箱に閉じ込め海に投げ捨てたのは映画と同じです。
そうして成長したペルセウスは、1人でゴルゴン(ゴーゴン)退治に出かけます。
ペルセウスが冒険の旅に出た理由は、島の領主に命じられたからです。
領主はペルセウスの母ダナエに好意を寄せており、息子のペルセウスが邪魔で遠ざけようとしました。
当時のギリシアでは男子たる者旅に出るのが習わしでもある為、例え困難な道のりであっても冒険に出ないわけにはいかなかったのですね。
ちなみに怪物ゴルゴンは、ステンノー、エウリュアレー、メドゥーサの3人姉妹でした。
元は人間でしたが、末妹のメドゥーサがアテナ神殿内で海神ポセイドンと交わったのです。
その為に女神アテナの不興を買い、女神の呪いによって3姉妹とも怪物に変えられました。
この3姉妹のうちメドゥーサだけが不死身ではなかったので、後にペルセウスに討ち取られます。
ゴルゴン退治に出たペルセウスは、グライアイ三姉妹のところへ行きます。
そこで老婆たちの1つしかない目を奪って、メドゥーサの居場所を吐かせたのは映画も同じ。
英雄はその後、女神アテナやヘルメス神の助けも借りてメドゥーサの棲み処へ辿り着きます。
そして盾に写る姿を見ながら、後ろ向きで首を切り落としたのも同じです。
その後に、死んだメドゥーサの体から天馬ペガサスが生まれました。
ペガサスは海神ポセイドンとメドゥーサの子ということになります。
ペルセウスがペガサスに乗って故郷へ帰る途中、エチオピアで生贄にされているアンドロメダに出会います。
このエチオピアの王がケペウスで、王妃がカシオペアです。
エチオピアといっても、現代のアフリカの国ではありません。
ギリシア語で“日に焼けたの人々”という意味なので、この時のエチオピアが具体的にどこだったのかは謎です。
なんにせよ、王妃カシオペアが美を誇って神々の怒りを買い、娘を海獣の生贄にしなくてはならなくなったのです。
ペルセウスはメドゥーサの首で海獣を石に変え、アンドロメダを救って妃にしました。
ちなみに海獣はケートス(海の巨大生物)と呼ばれていて、具体的な姿は不明です。
なおペルセウス座、ケペウス座、カシオペア座、アンドロメダ座、とみんな星座になってますね。
ついでに海獣もクジラ座になりました。
帰国した英雄ペルセウスはアルゴスの王となります。
なおその後、ペルセウスはある競技会の円盤投げに出場しました。
ところが手元が狂い、投げた円盤が観客席にいた老人に当たり死なせてしまいます。
その老人こそが先代のアルゴス王アクリシオスで、ペルセウスの祖父でした。
つまり孫に殺されるというアクリシオスの神託は実現したのです。
ペルセウスは罪滅ぼしにアルゴスの王座を降り、代わりにミュケナイの王になりました。
と神話のお話はここまでです。
そうなると冥界の王ハデスや、不死の女性イオなど、本来のペルセウス神話には登場しないのです。
魔人ジン族や海獣クラーケンにいたっては、そもそもギリシア神話には登場しません。
ジンはアラブのお話に出てくる精霊(アラジンに登場するランプの精もそう)ですが、劇中のような設定は創作でしょう。
しかしクラーケンはノルウェーに伝承される北海の化け物で、それがなぜギリシア神話の映画に登場させたのかは謎です。
とまあ、ギリシア神話にあまり興味ない人にはどうでもいいことですが、なまじ神話好きな私には疑問点だらけの映画でした。
本作には続編 2012年「タイタンの逆襲」があります。
くどいようですが、タイタン(ティタン)という言葉もペルセウスには関係ないんよネ。
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